差し歯が取れた!市販の接着剤はNG?絶対やってはいけないNG行動と正しい保管法
「食事中に突然、差し歯がポロッと取れてしまった……」
「明日から仕事なのに、前歯がないと困る!」
そんな緊急事態に直面すると、焦って「自分でなんとか直せないか」と考えてしまうものです。しかし、慌てて間違った対処をしてしまうと、本来なら簡単に付け直せたはずの差し歯が二度と使えなくなったり、土台となる大切な歯を失ったりするリスクがあります。
差し歯が取れたとき、最も大切なのは「余計なことをせず、そのままの状態で歯科医院へ行くこと」です。
この記事では、差し歯が取れたときに絶対にやってはいけないNG行動から、安全な保管方法、そして歯科医院を受診するまでの応急処置について詳しく解説します。
なぜ取れる?差し歯が外れる主な原因
差し歯が取れるのには、必ず理由があります。主な原因を知ることで、今後の再発防止に役立てましょう。
接着剤(セメント)の劣化: 歯科用セメントは数年〜十数年で経年劣化します。粘着力が弱まることで、硬いものを食べた際などに外れやすくなります。
土台の虫歯(二次カリエス): 差し歯と自前の歯の隙間から菌が入り込み、中で虫歯が進行すると、土台が溶けて差し歯を支えられなくなります。
噛み合わせの変化: 歯ぎしりや食いしばり、周囲の歯の移動によって特定の場所に過度な力がかかると、差し歯が弾き飛ばされるように外れることがあります。
土台(コア)の破折: 強い衝撃や劣化により、歯の根の中に埋まっている土台そのものが折れてしまうケースです。
【警告】絶対にやってはいけない3つのNG行動
焦っているときほど、以下の行動をとってしまいがちですが、これらは状況を悪化させるだけです。
1. 市販の瞬間接着剤で付ける
これが最も危険な行為です。
有害性の問題: 工業用の接着剤は口腔内での使用を想定しておらず、粘膜や歯髄(神経)に悪影響を及ぼす可能性があります。
精度の低下: 接着剤の厚みで噛み合わせが狂い、土台の歯に無理な力がかかって折れてしまうことがあります。
再利用不可に: 歯科医院で除去できなくなり、せっかくの差し歯を作り直さなければならなくなります。
2. 自分で削ったり加工したりする
「少し浮いているから」と、差し歯の内側を削るのも厳禁です。ミリ単位で調整されている適合性が完全に破壊され、二度と元の状態には戻せなくなります。
3. 取れたまま長期間放置する
「痛みがないから」「見えない場所だから」と放置するのは禁物です。
歯の移動: 隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、数週間で元の差し歯が入らなくなります。
虫歯の急速な進行: 露出した土台は非常に弱く、あっという間に虫歯になり、最悪の場合は抜歯が必要になります。
差し歯が取れたときの正しい保管方法
取れた差し歯の状態が良ければ、そのまま歯科医院で付け直すことができます。捨てずに大切に保管してください。
水洗いして清潔にする: 汚れが付着している場合は、優しく水洗いします。この際、洗面台の排水口に流さないよう必ず「栓」をするか、容器の中で洗ってください。
小さなケースに入れる: ティッシュに包むだけだと、間違えて捨ててしまったり、踏んで割ってしまったりする事故が多発します。必ずプラスチックのケースや小さな袋に入れて保管しましょう。
乾燥させすぎない: 完全に乾燥すると汚れがこびりついて取れなくなるため、清潔なケースに入れて保管するのがベストです。
歯科医院に行くまでの応急処置と注意点
予約が取れるまでの間、どのように過ごすべきでしょうか。
食事の際の注意
取れた場所は非常にデリケートです。反対側の歯で噛むようにし、硬いもの、粘り気のあるもの(ガムやキャラメル)、刺激物は避けましょう。
清潔を保つ
土台が露出している部分は、普段以上に汚れが溜まりやすく、細菌感染を起こしやすい状態です。柔らかい歯ブラシで優しくブラッシングし、うがい薬などで口腔内を清潔に保ってください。
痛みがある場合
もし激しい痛みや腫れがある場合は、無理に触らず、早急に歯科医院に「緊急であること」を伝えて受診してください。
まとめ:差し歯の脱離は「お口の健康チェック」のサイン
差し歯が取れたことはショックかもしれませんが、それは「土台の歯を救うためのサイン」でもあります。早めに受診することで、中の虫歯を早期発見できたり、簡単な調整だけで済んだりすることがほとんどです。
自己判断での接着は、歯の寿命を縮める大きなリスクを伴います。取れた差し歯を持って、速やかに信頼できる歯科医師に相談しましょう。
適切な処置を受けることが、あなたの笑顔と健康な食事を長く守るための唯一の方法です。