「大人の歯列矯正」は医療費控除でいくら戻る?年収別の還付金シミュレーションと裏技
「大人の歯列矯正は全額自己負担だから高い……」と諦めていませんか? 確かに100万円近い費用がかかることも多いですが、確定申告で「医療費控除」を利用すれば、支払った所得税の一部が「還付金」として戻ってきます。さらに、翌年の住民税も安くなるため、実質的な負担を大きく減らすことが可能です。
しかし、年収や家族構成によって「実際にいくら戻るのか」は大きく異なります。この記事では、年収別の還付金シミュレーションと、控除額を最大化するための意外な「裏技」を詳しく解説します。
1. 医療費控除で戻ってくるお金の仕組み
医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円(所得200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合に、その超えた金額に対して税金が軽減される制度です。
戻ってくる金額(還付金)は、以下の計算式で決まります。
医療費控除額 =(実際に支払った医療費 - 10万円)
還付金 = 医療費控除額 × あなたの所得税率
ポイントは、日本の所得税が「累進課税」である点です。年収が高い人ほど所得税率が高くなるため、同じ矯正費用を支払っても、戻ってくる金額は多くなります。
2. 【年収別】還付金シミュレーション
具体的に、100万円の矯正費用(インビザラインやワイヤー矯正など)を1年間に全額支払った場合、いくら戻るのかを試算してみましょう。
| 年収 | 所得税率 | 戻ってくる還付金(目安) | 住民税の軽減額(目安) | 合計軽減額 |
| 400万円 | 5% | 45,000円 | 90,000円 | 135,000円 |
| 600万円 | 10% | 90,000円 | 90,000円 | 180,000円 |
| 800万円 | 20% | 180,000円 | 90,000円 | 270,000円 |
| 1,200万円 | 33% | 297,000円 | 90,000円 | 387,000円 |
※ 基礎控除や社会保険料控除等の諸条件により変動します。
※ 住民税は一律約10%として計算しています。
このように、年収800万円の人なら約27万円分、年収1,200万円の人なら約40万円分も実質的な負担が軽くなる計算です。これは無視できない金額といえるでしょう。
3. 控除額を最大化する「3つの裏技」
少しでも還付金を増やし、手元に残るお金を最大化するためのテクニックを紹介します。
① 世帯で「最も年収が高い人」が申告する
医療費控除は、家計を共にしている家族の分をまとめて申告できます。共働きの夫婦であれば、年収が低い方ではなく、**「所得税率が高い方」**が家族全員分の医療費(矯正費+日常の通院費など)を合算して申告しましょう。これにより、還付される割合が最大になります。
② 「交通費」を1円漏らさず計上する
歯科医院までの通院にかかった電車・バスの運賃も、医療費控除の対象に含まれます。
裏技ポイント: 領収書が出ない公共交通機関の場合でも、家計簿やエクセルに「日付・経路・運賃」をメモしておけば認められます。通院回数が多い矯正治療では、往復の運賃を合わせると数万円単位の控除上乗せになることもあります。
③ デンタルローンと「年末の駆け込み」を使い分ける
医療費控除は「その年の1月〜12月に支払った額」が対象です。
一括で大きな控除を受けたい場合: デンタルローンを利用すると、信販会社が歯科医院に代金を一括で支払った年(契約年)に全額分を控除申請できます。
所得を分散したい場合: 現金での分割払いにし、年をまたいで支払うことで、複数年にわたって控除を受ける方法もあります(ただし、各年で10万円の足切りラインが発生します)。
4. 大人の矯正で「診断書」が必要になるケース
大人の歯列矯正の場合、税務署から「美容目的ではないか?」と疑われる可能性があります。これを回避するために、歯科医院で**「診断書」**を書いてもらうのが最も確実な対策です。
「噛み合わせの不具合による咀嚼障害」や「顎関節症の改善」など、医学的な必要性が記された診断書があれば、万が一の問い合わせにも自信を持って対応できます。契約前に「医療費控除を受けたいので、診断書の発行は可能か」を確認しておきましょう。
5. まとめ:賢い納税者が手にする「実質割引」
歯列矯正は、ただ歯を綺麗にするだけでなく、一生モノの健康を手に入れるための投資です。そして、その投資を国が税制面でバックアップしてくれるのが「医療費控除」です。
面倒に思える確定申告ですが、年収によっては数十万円ものキャッシュバックを受けることができます。
領収書と通院メモを保管する
家族で一番高所得な人が申告する
治療目的であることを証明する
この3点を守るだけで、矯正治療のハードルはぐっと下がります。正しい知識を武器に、賢くお得に、理想の笑顔を手に入れましょう。
歯列矯正で医療費控除が通らなかったのはなぜ?損をしないための条件と還付金を受け取る具体策