ESTA申請の「出生した市区町村名」の正しい書き方と注意点


アメリカへビザなしで渡航する際に必須となる「ESTA(エスタ)」の申請。多くの項目がある中で、意外と迷ってしまうのが「出生した市区町村名(City of Birth)」の入力です。

「戸籍謄本にはどう書いてある?」「現在の地名が合併で変わっている場合は?」「英語でどう表記すべき?」など、一見シンプルに見えて、実は正確なルールを知らないと申請ミスにつながる可能性もあります。

この記事では、ESTA申請における「出生した市区町村名」の正しい書き方から、よくある疑問、エラーを防ぐための具体的な対策まで、基本ルールを詳しく解説します。


ESTA申請「出生した市区町村名」の基本ルール

ESTAは米国の国土安全保障省が管理するシステムです。入力はすべて「英字(ローマ字)」で行うのが鉄則です。

パスポートの記載と合わせるのが大原則

ESTA申請の最も重要なポイントは、**「手元のパスポートに記載されている情報と一致させること」**です。

しかし、日本のパスポートの「本籍地」や「出生地」欄には、都道府県名までしか記載されていないことが一般的です。一方、ESTAの項目には「出生した市区町村名(City of Birth)」と「出生した国(Country of Birth)」があるため、市区町村名は自分で確認して入力する必要があります。

正しい表記方法(ローマ字入力)

市区町村名は、ヘボン式ローマ字で入力します。

  • 例:新宿区SHINJUKU または SHINJUKU-KU

  • 例:横浜市YOKOHAMA または YOKOHAMA-SHI

  • 例:隠岐郡海士町AMA または AMA-CHO

基本的には「SHINJUKU」「YOKOHAMA」のように、市区町村名のみ(ハイフン以下なし)でも問題なく受理されます。


迷いやすいケース別・具体的な書き方

出生時の状況や地名の変更など、特殊なケースでの対処法をまとめました。

1. 市町村合併で名前が変わった場合

生まれた時の地名と、現在の地名が異なるケースです。

  • 対策: 原則として「現在の名称」を記入します。ただし、パスポート申請時に使用した戸籍謄本に基づいた名称であれば、当時の名称でも大きな問題にはなりませんが、現在の名称を入力するのが一般的でスムーズです。

2. 生まれた場所が分からない場合

どうしても出生地が特定できない、あるいは不明な場合です。

  • 対策: 入力欄に UNKNOWN と記入することが可能です。ただし、日本で生まれ育った方の場合は、戸籍謄本や改正原戸籍を確認すれば必ず記載があるため、可能な限り調べて正確な名称を入れることが推奨されます。

3. 海外で生まれた場合

日本国籍であっても、海外の病院等で出生したケースです。

  • 対策: その国での出生証明書やパスポートに記載されている都市名を英字で記入します。


よくある間違いとトラブル回避策

ESTA申請で「出生地」関連のエラーやトラブルを防ぐために、以下の点に注意しましょう。

都道府県名を入れてしまうミス

「City of Birth」という項目に対し、間違えて「TOKYO」や「OSAKA」といった都道府県名を入力してしまうケースが多く見られます。

  • 都道府県名は、別の項目やパスポートの「本籍」と混同しがちですが、ここはあくまで「市区町村(市・区・町・村)」の名前を入れます。

記号や数字の入力

英字以外(数字や特殊な記号)は使用できません。

  • 「3丁目」などの番地情報は不要です。あくまで自治体の名称のみを入力してください。

誤字・脱字(タイポ)

一文字でもスペルが異なると、入国審査時に不一致を指摘されるリスクがあります。

  • 特に「おう(OU / O)」や「しゅ(SHU)」などのヘボン式表記に注意し、入力後は必ず再確認しましょう。


信頼できる情報源からの補足

ESTA申請は公式サイト(.govドメインのサイト)から行うことが、最も安全で安価(実費のみ)です。

  • 偽サイトに注意: 検索結果の上位に表示される代行サイトの中には、高額な手数料を請求するものがあります。必ず米国政府の公式URLであることを確認してください。

  • 早めの申請: ESTAは遅くとも出発の72時間前までの申請が推奨されていますが、審査に時間がかかる場合もあるため、航空券を取ったらすぐに申請を済ませるのが理想的です。


結論:正確な地名をローマ字で入力すれば大丈夫

ESTAの「出生した市区町村名」は、過度に神経質になる必要はありませんが、**「パスポートとの整合性」「英字での正確な表記」**の2点だけは確実に守りましょう。

自分の出生地がはっきりと分からない場合は、この機会に戸籍謄本などを確認し、正確な自治体名を把握しておくことをおすすめします。一度正確に入力してしまえば、ESTAの有効期限(通常2年間)内は安心してアメリカ渡航を楽しむことができます。

正しい知識を持って、スムーズに申請を完了させましょう。