ブレーカーが落ちて戻らない!原因別の復旧手順とNG行動を徹底解説


突然の停電、そして「ブレーカーを上げてもすぐに落ちてしまう」「レバーが途中で止まって戻らない」……。家中の電気が消えると焦ってしまいますが、むやみに操作を繰り返すのは危険です。

ブレーカーが戻らないのには、電気の使いすぎ以外にも「漏電」や「故障」といった重大なサインが隠されている場合があります。この記事では、状況に合わせた安全な復旧ステップと、故障を見極めるポイントを詳しく解説します。


1. ブレーカーが戻らないときにまず確認すべきこと

ブレーカーのレバーが「入」にならない場合、以下の2つの状態が考えられます。

レバーが「中間の位置」で止まっている

多くのブレーカー(特に漏電遮断器)は、異常を検知するとスイッチが真ん中の位置で止まる仕組みになっています。

  • 対処法: 一度レバーを一番下の**「切(オフ)」の方向に強く押し下げてから**、再度「入(オン)」に上げてください。下まで下げきらないと、ロックがかかって戻りません。

上げても「すぐにガチャンと落ちる」

これは、電気のルートにまだ「異常(過負荷や漏電)」が残っている証拠です。無理に上げ続けると火災や感電の恐れがあるため、原因を特定する必要があります。


2. 【原因別】安全な復旧ステップ

どのブレーカーが落ちているかによって、対処法が異なります。

① 「アンペアブレーカー」が落ちる(一番左の大きなスイッチ)

  • 原因: 家全体の電気の使いすぎです。

  • 対処: 使用中の電化製品(特に電子レンジ、エアコン、ドライヤーなど)のスイッチを切り、コンセントを抜いてからブレーカーを上げてください。

② 「安全ブレーカー」が落ちる(右側に並んでいる小さなスイッチ)

  • 原因: 特定の部屋での使いすぎ、またはその回路に繋がっている家電のショートです。

  • 対処: 落ちた回路に繋がっている家電をすべて抜き、ブレーカーを上げます。戻れば「使いすぎ」です。戻らなければ、その部屋の家電のどれかが故障(ショート)しています。

③ 「漏電ブレーカー」が落ちる(真ん中にある中サイズのスイッチ)

【重要】 これが戻らない場合は、家の中のどこかで電気が漏れている(漏電)可能性が高く、最も注意が必要です。以下の手順で漏電箇所を特定します。

  1. すべての「安全ブレーカー(右側の小さいスイッチ)」を「切」にする。

  2. 「漏電ブレーカー(真ん中)」を「入」にする。

  3. 「安全ブレーカー」を一つずつ順番に「入」にしていく。

  4. あるスイッチを入れた瞬間に漏電ブレーカーが落ちたら、その回路が原因です。

  5. 原因の回路だけを「切」にしたまま、他のブレーカーを上げれば、その部屋以外は電気が使えます。


3. ブレーカーが戻らない場合に考えられる「故障」

手順通りに操作しても戻らない場合は、機器自体の寿命や故障の可能性があります。

  • ブレーカーの寿命: ブレーカーの交換目安は約10年〜15年です。内部のバネや機構が劣化すると、物理的にレバーが固定できなくなります。

  • 雷や浸水の影響: 近くで落雷があった後や、雨漏り・浸水があった場合は、内部回路が破壊されていることがあります。

  • 異音・異臭: ブレーカー付近から「ジジジ」という音や、焦げ臭い匂いがする場合は、直ちに使用を中止し、専門業者を呼んでください。


4. 誰に頼むべき?連絡先ガイド

自力で解決できない場合は、早急にプロに相談しましょう。

  • 賃貸住宅の場合: まずは管理会社や大家さんに連絡してください。経年劣化による故障であれば、費用負担なしで修理してもらえるのが一般的です。

  • 持ち家の場合: 地域の電力会社(東京電力や関西電力など)、またはお近くの「電気工事店」に修理を依頼します。

  • 契約アンペアを上げたい場合: 頻繁にアンペアブレーカーが落ちるなら、契約プランの変更が必要です。契約している電力会社に相談しましょう。


まとめ:無理な操作は禁物。冷静に原因の切り分けを

ブレーカーが落ちて戻らないときは、「電気の使いすぎ」か「安全装置の作動」かのどちらかです。まずは「一度下げきってから上げる」という基本動作を試し、それでもダメなら家電を抜いて原因箇所を特定しましょう。

電気は目に見えないため、無理な自己判断は禁物です。特に漏電の可能性がある場合は、家族の安全を守るためにも早めに専門家のアドバイスを受けるようにしてください。