ESTAが「拒否」されたらどうする?具体的な対策とビザ申請への切り替えガイド

 

ESTA(エスタ)を申請して「Travel Not Authorized(渡航認証拒否)」という結果が出ると、目の前が真っ暗になるような気持ちになるかもしれません。しかし、拒否されたからといって「アメリカへ行けない」と決まったわけではありません。

ESTAが拒否された場合、次のステップは「B-1/B-2(商用・観光)ビザ」の申請に切り替えることです。ただし、ビザ申請には面接が必要で、取得までに数週間から数ヶ月かかることもあります。

この記事では、ESTAが拒否される主な原因と、Bビザ申請への具体的な切り替え手順、そして渡航を諦めないための対策を詳しく解説します。


1. なぜ拒否された?主な原因と自己チェック

米国当局は拒否の具体的な理由を教えてくれません。まずは自分の申請内容を振り返り、以下のいずれかに該当しないか確認しましょう。

入力ミス(ケアレスミス)

  • 適格性の質問で「YES」を選択した: 犯罪歴や伝染病、過去の入国拒否などの質問に対し、誤って一つでも「YES」と回答すると即座に拒否されます。

  • パスポート情報の誤り: 番号や有効期限の間違い。

制度上の制限(二重国籍や渡航歴)

  • 特定の国への渡航歴: 2011年3月以降にイラン、イラク、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメン、キューバに渡航歴がある場合、原則としてESTAは利用できません。

  • 二重国籍: 上記の国々との二重国籍保持者。

過去のトラブル

  • オーバーステイ歴: 過去にアメリカで許可された滞在期間を1日でも過ぎて滞在したことがある場合。

  • 前回のビザ却下: 過去に一度でも米国ビザの申請が却下されたことがある。


2. 間違えて「YES」と答えてしまった場合の対策

もし明らかな入力ミス(犯罪歴がないのに「YES」とした等)で拒否された場合、すぐに再申請しても再び拒否される可能性が高いです。

  • CBP(米国税関・国境取締局)への問い合わせ: 公式サイトの「CBP Info Center」から、入力ミスであったことを英語で説明し、記録の修正を依頼することができます。ただし、修正が認められる保証はなく、時間がかかることも覚悟しなければなりません。

  • 基本はビザ申請へ: 一度拒否の記録がつくと、システム上で自動的に弾かれるようになるため、多くの場合はBビザ申請へ進むのが現実的です。


3. B-1/B-2ビザ(商用・観光ビザ)への切り替え手順

ESTAが使えない場合は、米国大使館または領事館で正式な「ビザ」を取得する必要があります。

手順1:オンライン申請書「DS-160」の作成

まずは米国大使館のサイトから、オンライン申請書(DS-160)を作成します。非常に項目が多く、1〜2時間かかる作業です。完了すると「バーコード付きの確認ページ」が発行されるので、必ず印刷してください。

手順2:申請料金の支払い

Bビザの申請料金(185ドル ※2024年時点)を支払います。この料金は、万が一ビザが発給されなくても返金されません。

手順3:面接の予約

米国大使館(東京)または領事館(大阪、福岡、札幌、那覇)での面接予約を取ります。時期によっては予約が数ヶ月先まで埋まっていることもあるため、拒否されたら1日でも早く動くことが重要です。

手順4:面接当日

以下の書類を持参して面接に臨みます。

  • パスポート(現在および過去10年分)

  • DS-160確認ページ

  • 証明写真

  • ESTAが拒否された経緯を説明できる書類

  • 日本への帰国を証明する書類(在職証明書、預金残高証明書など)


4. ビザ面接で聞かれること・成功のポイント

面接官は「この人はアメリカで不法に働かないか」「必ず日本に帰るか」を厳しくチェックします。

  • 拒否の理由を正直に話す: 「入力ミスでした」「過去に〇〇へ旅行したためです」と、事実を誠実に伝えてください。

  • 日本との強い結びつきを証明する: 日本に安定した仕事がある、家族がいる、持ち家があるなど、「アメリカに居座る理由がないこと」を強調しましょう。


結論:早めの行動が「アメリカ行き」を左右する

ESTAの拒否はショックな出来事ですが、正当な理由(入力ミスや特定の国への渡航歴など)であれば、Bビザを取得して入国できる可能性は十分にあります。

一番の敵は「時間」です。出発まで1ヶ月を切っているような状況で拒否されると、ビザ取得が間に合わないリスクが高まります。アメリカ渡航が決まったら、まずは何よりも先にESTAを申請し、万が一の事態に備えるゆとりを持つようにしましょう。

正しい手続きを踏めば、道は必ず開けます。諦めずに一歩ずつ進めていきましょう。