ESTA申請の難所を突破!「勤務先情報」と「米国滞在先住所」の正しい書き方


アメリカへの渡航に欠かせないESTA(エスタ)申請。順調に進めていても、中盤で手が止まりやすいのが「勤務先情報」と「米国滞在先の住所」の入力です。

「無職の場合はどうすればいい?」「ホテルが決まっていない時は?」「英語での住所の書き順がわからない」など、慣れない英語表記と項目に不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、ESTA申請で特に間違いやすいこれら2つの項目について、具体的な記入例を交えて詳しく解説します。審査をスムーズに通過させ、安心して出発の日を迎えるための準備を整えましょう。


1. 勤務先情報(Employment Information)の書き方

アメリカ当局は、申請者が「自国に仕事や生活の基盤があり、不法滞在する意図がないか」を確認するために勤務先情報を求めています。

現職がある場合(会社員・公務員など)

すべて英語(ローマ字)で入力します。名刺や会社の英語公式サイトを確認しておくと確実です。

  • 役職(Job Title): 正確な役職名が不明な場合は、OFFICE WORKER(事務職)、SALES REPRESENTATIVE(営業職)、MANAGER(管理職)など、一般的な名称で問題ありません。

  • 勤務先名(Employer Name): 会社名を英語で記入します(例:TANAKA KOGYO CO., LTD.)。

  • 住所・電話番号: 日本の住所とは逆の順番で記入します。「市区町村」と「都道府県」の欄を間違えないよう注意しましょう。

主婦・学生・退職者の場合

現在、仕事をしていない場合でも正直に回答することが求められます。

  • 無職・主婦の方: 勤務先情報の質問に対し「NO(いいえ)」を選択します。かつて働いていた情報を入れる必要はありません。

  • 学生の方: 学校名を勤務先名として入力し、役職欄には STUDENT と記入します。

  • 退職された方: 以前の職歴を入れる必要はなく、「NO」を選択して現在の状況を反映させます。


2. 米国滞在先の住所(Address While In The United States)の入力

滞在先情報は「米国内の連絡先」と「米国滞在中の住所」の2箇所で求められます。基本的には同じ内容で問題ありません。

ホテルに宿泊する場合の記入例

ホテルの公式サイトや予約確認書を見ながら入力します。

  • 名称(Name): ホテル名を入力します(例:HILTON NEW YORK TIMES SQUARE)。

  • 住所(Address Line 1): 番地と通り名を入力します(例:234 WEST 42ND STREET)。

  • 市区町村(City): 都市名を入力します(例:NEW YORK)。

  • 州(State): プルダウンから選択します(例:NY - NEW YORK)。

  • 電話番号: ホテルの代表番号を入力します。

滞在先が決まっていない場合

「出発直前までホテルを決めない」「周遊するので場所が確定していない」という場合でも申請は可能です。

  • 対策: 住所欄に UNKNOWN と入力し、電話番号には 0(ゼロ)を入力して進めることができます。

  • 注意点: ただし、滞在先が未定だと審査に時間がかかるケースもあります。1泊目だけでも決めておき、その情報を入力するのが最も確実です。

友人・親戚宅に滞在する場合

  • 名称: 友人の氏名を入力します。

  • 住所: 友人の自宅住所を正確に入力してください。


3. 日本とアメリカで異なる「住所の書き順」をマスター

英語で住所を書く際は、日本とは逆に「小さい単位から大きい単位へ」並べるのがルールです。

日本の表記例: 〒100-0005 東京都 千代田区 丸の内 1-1-1

英語の表記例: 1-1-1, Marunouchi, Chiyoda-ku, Tokyo, 100-0005, Japan

ESTAの入力フォームは項目ごとに分かれているため、落ち着いて指定された欄に該当する英字を入れていけば、自然と正しい形式になります。


4. 入力時の注意点とトラブル回避のコツ

全角文字は絶対に使用しない

氏名や住所の入力時に全角文字(日本語入力モード)が混じると、システムエラーの原因になります。必ず「半角英数字」で入力してください。

記号の使用を避ける

「&」や「#」などの記号はエラーを引き起こすことがあります。

  • 「2階」を意味する 2F などは問題ありませんが、アパート名のハッシュマークなどは除いて入力するのが無難です。

虚偽の申請は厳禁

「無職だと審査に落ちるかも」と心配して架空の勤務先を入力するのは最も危険です。米国のシステムは非常に高度であり、虚偽が発覚した場合は今後の入国が永久に拒否される恐れがあります。現在の状況をありのままに入力することが、承認への最短距離です。


結論:準備を整えてから申請に臨もう

ESTA申請の「勤務先」と「滞在先」は、事前にメモを用意しておけば決して難しい項目ではありません。

  1. 勤務先の英語名、住所、電話番号を控える

  2. 宿泊予定のホテルの住所、電話番号を確認する

  3. すべて半角英字で入力する

この3点を意識するだけで、入力ミスによる申請却下のリスクを大幅に減らすことができます。ESTAは一度承認されれば2年間(またはパスポートの期限まで)有効ですので、早めに済ませて、アメリカ旅行の計画を存分に楽しみましょう。