👂 鼓膜が破れた!症状、対処法、治るまでの流れと注意点
「鼓膜が破れた(鼓膜穿孔)」かもしれないと感じると、突然のことで非常に不安になりますよね。鼓膜は音を伝える重要な役割を持つ薄い膜ですが、中耳炎や耳かきのしすぎ、強い衝撃など、さまざまな原因で破れてしまうことがあります。
鼓膜は通常、自然治癒力によって再生しますが、適切な処置を行わないと難聴や感染症などの合併症を引き起こす可能性があります。
この記事では、鼓膜が破れた際に現れる主な症状、緊急で取るべき対処法、そして完治までの一般的な流れと絶対にやってはいけないことについて、分かりやすく解説します。
🚨 鼓膜が破れたときの主なサイン(症状)
鼓膜が破れた直後、または破れたことが原因で炎症が起きた場合、以下のような症状が現れます。これらの症状に気づいたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
| 症状 | 特徴と現れ方 |
| 強い耳の痛み | 破れた直後に、鋭い痛みや激しい痛みを感じることが多いです。 |
| 耳鳴り・聞こえの悪さ | 難聴(一時的な聞こえの低下)や「キーン」という耳鳴りが生じます。 |
| 出血 | 耳の穴から少量の血液がにじむことがあります。 |
| 耳だれ | 破れた後に感染が起こると、粘り気のある膿(うみ)や黄色い液体が流れ出てくることがあります(急性中耳炎を合併した場合など)。 |
| めまい | 内耳に近い部分まで損傷が及んだ場合や、急激な気圧の変化があった場合に、めまいや平衡感覚の異常を訴えることがあります。 |
🚑 鼓膜が破れた(疑いがある)場合の緊急対処法
鼓膜の損傷が疑われる場合、家庭でできる応急処置と、絶対に避けるべき行動があります。
いますぐやるべきこと
耳鼻咽喉科をすぐに受診する:自己判断はせず、できるだけ早く専門医の診察を受けましょう。正確な穿孔(穴)の状態や聴力を調べてもらうことが重要です。
水を入れないように保護する:耳に水が入ると、破れた鼓膜を通して中耳に細菌が入り込み、中耳炎を引き起こすリスクが極めて高くなります。
入浴・洗髪時:防水性の耳栓を使用するか、綿球にワセリンなどを塗って耳の穴を軽く塞ぎ、水が入らないように厳重に注意しましょう。
水泳:完治するまでは絶対に控えてください。
🙅♀️ 絶対にやってはいけないこと
耳を触る・耳かきをする:耳に指や綿棒、耳かきなどを入れると、鼓膜をさらに傷つけたり、細菌を中耳に押し込んだりする危険性があります。絶対に触らないでください。
点耳薬を自己判断で使う:医師の指示がない限り、点耳薬を使用してはいけません。鼓膜に穴が開いている状態で特定の点耳薬を使うと、内耳に悪影響を及ぼす可能性があります。
🏥 治療と治癒までの一般的な流れ
鼓膜が破れても、その損傷の程度によりますが、自然に治る可能性が高い組織です。
1. 診察と検査
耳鼻咽喉科では、耳鏡や内視鏡を使って鼓膜の状態を確認し、聴力検査を行って難聴の程度を評価します。
2. 保存的治療(自然治癒を待つ)
小さな穿孔の場合:ほとんどの小さな穴や亀裂は、1〜2週間で自然に塞がります。
薬の投与:細菌感染を防ぐため、抗生物質や消炎剤が処方されます。中耳炎を併発している場合は、その治療も同時に行います。
定期的な観察:医師は定期的に鼓膜の状態を観察し、治癒をサポートします。
3. 積極的な治療(自然治癒が難しい場合)
穴が大きい場合や、自然に塞がらない場合は、以下のような処置が行われます。
鼓膜接着法:穿孔の縁を刺激して再生を促し、薄い医療用の紙や膜を穴の上から貼り付け、鼓膜の再生をサポートする方法です。
鼓膜形成術:長期にわたって穴が塞がらない場合や慢性的な中耳炎が原因の場合は、全身麻酔や局所麻酔の下で手術(鼓膜形成術)を行い、耳の組織の一部を使って鼓膜を修復します。
⚠️ 完治までの注意点
完治と医師に言われるまでは、以下の注意事項を厳守してください。
耳に水・湿気を入れない:洗顔時も細心の注意を払い、水が入らないように徹底してください。
鼻を強くかまない:鼻を強くかむと、鼻の奥から中耳へ圧がかかり、鼓膜の治癒を妨げたり、中耳炎を悪化させたりする可能性があります。片方ずつ優しくかむようにしましょう。
飛行機や高所への注意:気圧の変化は鼓膜に負担をかけるため、飛行機への搭乗やスキューバダイビング、高所登山などは、医師の許可が出るまで控えてください。
鼓膜はデリケートな組織ですが、正しく対応すればほとんどの場合完治します。不安な点があれば、専門医とよく相談し、焦らず治療を進めていきましょう。