Bビザ申請の成否を分ける!DS-160作成の急所と面接を有利にする書類準備
ESTAが拒否された後の「B-1/B-2ビザ(商用・観光ビザ)」申請は、アメリカ入国に向けた最後の、そして最も重要なステップです。その成否を握るのは、オンライン申請書「DS-160」の完成度と、面接官の懸念を払拭する「補足書類」の準備にかかっています。
特にDS-160は、面接官があなたの第一印象を決定づける「事前の自己紹介」です。ここで矛盾や不備があると、面接で厳しく追及されることになります。
この記事では、DS-160作成時に絶対に落とせない注意点と、面接を有利に進めるための強力なサポート書類について詳しく解説します。
1. DS-160作成時の「3つの重要注意点」
DS-160は項目が非常に多く、入力には数時間を要します。以下のポイントを外すと、申請が却下されたり、最初からやり直しになったりするリスクがあります。
タイムアウトと「こまめな保存」
DS-160の入力画面は、操作がない状態が20分続くと強制的にタイムアウトし、入力内容がすべて消えてしまいます。
対策: 各ページの最後にある「SAVE」ボタンを必ず押し、申請番号(Application ID)を控えておきましょう。中断しても後から再開できます。
過去の「ESTA拒否」を正直に記載する
「Security and Background」のセクションでは、過去の渡航認証拒否について問われます。
注意点: ESTAが拒否された事実は、米国当局のシステムにすべて記録されています。ここで隠すと「虚偽申告」とみなされ、今後一生アメリカへ行けなくなる恐れがあります。「ESTAが拒否されたため、今回のビザ申請に至った」という経緯を正直かつ簡潔に記入しましょう。
職歴・学歴の細かな整合性
現在の職務内容だけでなく、過去の職歴や最終学歴(高校以降)の入力が求められる場合があります。
注意点: 履歴書と矛盾がないよう、日付や会社名、住所を正確に入力してください。面接官は、あなたの現在の地位や日本での社会的な安定性をここから判断します。
2. 面接を有利に進める「補足書類」の準備
面接の際、面接官に提出を求められる(または自分から提示する)書類です。「日本に必ず帰る理由」と「旅行費用をまかなえる証拠」を視覚的に証明します。
日本との「強い結びつき」を証明する書類
「アメリカに不法滞在せず、必ず日本に帰る」という根拠を示します。
在職証明書・休職証明書: 会社名、役職、給与、休暇の期間が明記されたもの。
家族との関係を示すもの: 戸籍謄本の写し(日本に家族を残して行く場合、帰国の動機になります)。
不動産の所有証明: 自宅や土地の権利書など、資産が日本にあることは強い帰国動機とみなされます。
「十分な資金」を証明する書類
預金残高証明書(英文): 銀行で発行してもらう英文の証明書。旅行費用を十分にカバーできる額が必要です。
直近3〜6ヶ月の給与明細や源泉徴収票: 安定した収入があることを証明します。
渡航目的を明確にする書類
具体的な旅程表: どこのホテルに泊まり、どこを観光するかの計画書(英文)。
出張の場合は「招聘状(インビテーションレター)」: 米国の取引先からの招待状があると、ビジネス目的としての信頼性が格段に上がります。
3. 面接当日の「身だしなみと態度」のポイント
書類だけでなく、あなた自身の振る舞いも審査の対象です。
服装は「清潔感のあるビジネス・カジュアル」: スーツである必要はありませんが、襟付きのシャツやブラウスなど、相手に敬意を払う服装が好印象です。
一貫性のある回答を: 面接での受け答えは、DS-160に記入した内容と寸分違わず一致させる必要があります。回答が食い違うと「嘘をついている」と疑われるため、提出したDS-160の控えを直前まで読み込んでおきましょう。
必要以上に話さない: 質問には簡潔に、イエス/ノー、あるいは具体的な事実のみを伝えます。余計な一言が新たな疑念を生むこともあるため、落ち着いて対応しましょう。
4. 万が一、入力ミスに気づいたら?(訂正方法)
面接予約後にDS-160の重大なミス(名前の綴り、パスポート番号など)に気づいた場合。
対策: 面接日の2営業日前までであれば、新しいDS-160を作成し、予約システム上の「プロフィール更新」で確認番号(DS-160 Confirmation Number)を差し替えることが可能です。当日は、必ず**「最新の」**確認ページを持参してください。
結論:準備の「質」がビザ発給を決定する
Bビザの面接は、わずか数分で終わることがほとんどです。その数分間で面接官を納得させるには、矛盾のないDS-160と、主張を裏付ける完璧な書類準備が欠かせません。
ESTA拒否というハードルを乗り越えるのは大変な作業ですが、一つひとつ丁寧に準備を進めれば、アメリカ入国への道は必ず開けます。
「自分は怪しい者ではなく、健全な旅行者である」ということを、書類と態度で堂々と示しましょう。