歯石取り後の隙間が埋まるまで、本当に埋まる？費用と期間
歯石取りとはなぜ歯石をとるのか
歯石は、歯垢（プラーク）が唾液中のカルシウムやリンなどと結合して硬くなったものです。歯ブラシでは除去できないほど硬いため、専門の器具を使って除去する必要があります。
歯石を除去する主な理由は、歯周病予防です。歯石の表面はザラザラしており、歯垢や細菌が付着しやすくなっています。この状態を放置すると、歯茎に炎症が起こり、歯周病を引き起こす可能性が高まります。
歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気で、進行すると歯が抜け落ちてしまうこともあります。歯周病は日本人の歯を失う原因の第1位であり、30代以上の約8割がかかっていると言われています。
また、歯石は口臭の原因にもなります。歯石に付着した細菌が臭いの原因物質を作り出すため、歯石を除去することで口臭予防にもつながります。
どうして歯石ができるのか
歯石は、歯磨きで落としきれなかった歯垢が唾液中のカルシウムやリンなどと結合し、時間とともに硬くなって形成されます。歯垢は食べかすや細菌の塊であり、放置すると歯石へと変化していきます。
歯石は、唾液腺の近くにできやすい傾向があります。特に下の前歯の裏側や上の奥歯の表側は、唾液が多く分泌されるため、歯石が形成されやすい場所です。
また、歯並びが悪い場合や歯磨きが不十分な場合も、歯石ができやすくなります。歯ブラシが届きにくい場所や磨き残しがあると、歯垢がたまりやすく、歯石へと変化しやすくなってしまうのです。
歯石取りの頻度と効果
歯石取りの頻度は、個人の口腔内の状態によって異なります。一般的には、3ヶ月から半年に1回の頻度で歯石取りを受けることを推奨されています。
定期的に歯石取りを行うことで、歯周病予防だけでなく、虫歯予防にも効果があります。歯石を除去することで、歯垢や細菌がたまりにくくなり、虫歯のリスクを減らすことができるのです。
また、歯石取りは口臭予防にも効果的です。歯石に付着した細菌が口臭の原因となるため、歯石を除去することで口臭を改善することができます。
しかし、歯石取りはあくまで予防的な処置であり、一度除去しても再び歯石が形成される可能性があります。そのため、定期的な歯石取りと毎日の丁寧な歯磨きが重要です。
歯石取りで生じる隙間
歯石を取った後の隙間
歯石取り後に歯と歯の間に隙間ができたように感じる方がいらっしゃいますが、これは歯石が歯茎を押し広げていたために起こる現象です。歯石は歯と歯茎の間に溜まり、歯茎を圧迫することで歯茎の炎症を引き起こします。
歯石を除去すると、炎症が治まり歯茎が引き締まることで、歯と歯の間に隙間ができたように感じることがあります。しかし、これは歯石によって隠れていた本来の歯の姿であり、歯石取りによって歯がすきっ歯になったわけではありません。
歯石の量が多いほど、歯茎の腫れも大きいため、歯石除去後の隙間も大きく感じる傾向があります。特に歯と歯茎の境目や歯と歯の間は、歯垢や歯石が溜まりやすく、歯茎の腫れも大きくなりやすい部分です。
歯石取り後の違和感
歯石取り後は、口の中に違和感を感じる方もいらっしゃいます。これは、歯石によって炎症を起こしていた歯茎が、歯石除去によって刺激を受け、一時的に過敏になっているためです。
歯石除去後の違和感には、以下のようなものがあります。
• 歯が浮く、しみることがある：歯の根元が露出している場合や、歯茎が下がっている場合に起こりやすい症状です。
• 歯茎がムズムズする、出血する：歯石除去によって歯茎が刺激を受け、一時的に炎症を起こしている状態です。
• 口臭が気になる：歯石除去によって、歯周ポケットに溜まっていた膿や細菌が排出され、一時的に臭いが強くなることがあります。
これらの症状は、通常数日から数週間で治まります。しかし、症状が長引く場合や気になる場合は、歯科医院に相談しましょう。
歯の隙間を埋める方法
歯医者での治療
歯医者での治療は、歯の隙間の大きさや原因によって様々な方法があります。
• 詰め物や被せ物
小さな隙間であれば、詰め物や被せ物で隙間を埋めることができます。詰め物や被せ物の素材は、保険適用内のものから自費診療のものまで様々です。
• ラミネートベニア
歯の表面を薄く削り、セラミック製のシェルを貼り付ける方法です。歯並びや歯の色も同時に改善できるため、審美的な効果も期待できます。
• 矯正治療
歯並びが悪いことが原因で隙間が生じている場合は、矯正治療で歯並びを整えることで隙間を埋めることができます。
• インプラント
歯が抜けて隙間が空いている場合は、インプラント治療で人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着することで隙間を埋めることができます。
費用と料金
歯の隙間を埋める治療の費用は、治療方法や使用する素材によって大きく異なります。保険適用内の治療であれば、数千円から数万円程度で済みますが、自費診療の場合は値段が数十万円かかることもあります。
例えば、ラミネートベニアの場合は、1本あたり5万円から15万円程度が相場です。矯正治療の場合は、全体的な歯並びを治すため、数十万円から100万円以上かかることもあります。
歯の隙間の汚れ対策
歯の隙間は、どんなに磨いても、歯ブラシだけでは汚れが落としきれないことがあります。歯垢や食べかすが残ると、虫歯や歯周病の原因となるため、丁寧なケアが必要です。
歯の隙間の汚れの取り方
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで効果的に除去できます。
• デンタルフロス：糸状の清掃用具で、歯と歯の間に滑り込ませるようにして汚れを取り除きます。
• 歯間ブラシ：ブラシ状の清掃用具で、歯と歯の間に挿入して汚れをかき出すようにして取り除きます。歯間ブラシは隙間の大きさに合わせてサイズを選ぶことが重要です。
歯の隙間が狭くてゴミが取れない場合
歯の隙間が狭く、デンタルフロスや歯間ブラシが入らない場合は、無理に挿入しようとせず、歯科医院で相談しましょう。歯間ブラシのサイズが合っていない場合や、歯石が原因で隙間が狭くなっている可能性もあります。
糸ようじや歯間ブラシで汚れが取れない場合
糸ようじや歯間ブラシを使用しても汚れが取れない場合は、以下の原因が考えられます。
• 使用方法が間違っている：正しい使い方を歯科衛生士に指導してもらいましょう。
• 歯石が付着している：歯石は歯ブラシや糸ようじでは除去できません。歯医者で歯石除去を受けましょう。
• 歯の詰め物やかぶせ物が劣化している：詰め物やかぶせ物の隙間から汚れが入り込んでいる可能性があります。歯科医院で詰め物やかぶせ物の交換を検討しましょう。
歯の隙間は汚れが溜まりやすく、歯周病や虫歯のリスクが高まります。毎日の丁寧なケアと定期的な歯科検診で、歯の健康を守りましょう。
歯石取り後の注意点
注意点とアフターケア
歯石取り後は、歯茎が一時的に敏感になっているため、刺激の強い食べ物や飲み物は避けましょう。また、歯磨きも優しく丁寧に行うように心がけましょう。
歯石取り後の注意点としては、以下の点が挙げられます。
• 歯磨き：歯石取り後は歯茎が敏感になっているため、柔らかい歯ブラシを使って優しく丁寧に磨き、歯茎を傷つけないように注意しましょう。
• 食事：硬い食べ物や刺激の強い食べ物、熱い飲み物は避けましょう。
• 喫煙：喫煙は歯周病を悪化させる原因となるため、禁煙を心がけましょう。
• 定期的な検診：歯石は再び付着する可能性があるため、定期的に歯科医院で検診を受け、歯石除去や歯のクリーニングを受けるようにしましょう。
歯石取り後の歯の隙間が気になる、埋めたい場合は、歯科医師に相談しましょう。歯茎の腫れが引けば、隙間が目立たなくなることもあります。また、歯茎が下がっている場合は、歯肉移植などの治療法もあります。
これらの注意点やアフターケアについては、インターネット上の情報だけでなく、歯科医師や歯科衛生士に直接相談することも大切です。例えば、歯石取り後のケアに関する疑問や不安は、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも多く見られますが、専門家のアドバイスを受けることで、より安心してケアに取り組むことができるでしょう。
歯の隙間が埋まるまでの時間と費用
隙間が埋まるまでの期間
歯石取り後の歯茎の腫れが引くまでの期間は、個人差がありますが、通常1週間から1ヶ月程度です。歯茎の腫れが引くとともに、歯石によって広がっていた歯茎が引き締まり、歯と歯の隙間も徐々に目立たなくなっていきます。
ただし、歯周病が進行している場合は、歯茎が元に戻るまでに時間がかかることがあります。また、歯槽骨が溶けてしまっている場合は、歯茎が完全に元に戻ることはありません。
トータル費用の目安
歯石取りの費用は、保険診療の場合は1回あたり3,000円程度が目安です。歯石の量や歯の本数によって費用は変動しますが、3割負担の方であれば1,000円程度の自己負担で済みます。
歯石取り後に歯の隙間が気になる場合は、別途治療が必要になることがあります。詰め物や被せ物、ラミネートベニアなどの治療は自費診療となるため、費用は高額になる傾向があります。
結論
歯石取りによって歯の隙間ができるわけではありません。歯石によって歯茎が腫れていたのが、歯石除去によって歯茎が引き締まり、隙間ができたように見えるだけです。歯石取り後の歯の隙間が気になる場合は、歯科医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
また、歯石取りは歯周病予防に効果的なだけでなく、気持ち良い、口臭予防や虫歯予防にもつながります。定期的な歯石取りと毎日の丁寧な歯磨きで、健康な歯を保ちましょう。