ゴミ屋敷でどうやって生活しているのか気になる
今、ご近所トラブルとしても増加傾向にあるゴミ屋敷問題。実は他人事ではなく誰にでも起こり得る身近な問題となりメディアでも大きく取り上げられる社会問題になっています。
何でも手に入る便利な世の中になり、高齢化社会が進んだ今だから増え続ける問題ともいえるでしょう。
では高齢者が多いのかというと、そうではありません。最近、増加中の整理できない芸能人のように若い一人暮らし、働き盛りの中高年といった幅広い年代でも増え続けています。
ではそこでの生活というのはどのようなものなのでしょう。
ごみ屋敷での生活と特徴
<ごみの中での生活>
当然、高く積み上げられたゴミの中で何の不自由もなく通常に暮らしています。時にはゴミの上を歩いて移動します。
<生活スペース>
一角だけ片づけられた空間、生活スペースがあります。そこが主に拠点となります。
一見、理解のできない行動のようにも感じますが住人はこの生活がひどい状態、また散らかっているという自覚がなく快適に生活しているという事が大きな問題なのかもしれません。
ではゴミ屋敷に住む人々の特徴とはいったいどんな人なのでしょう。
<ゴミ屋敷になる人の特徴>
◎整理・整頓ができない
昼夜関係ない生活環境のためゴミ出しができず家にゴミが溜まり続けてしまいます。
◎買い物依存症
日頃のストレスを発散させるため必要以上に買い物を続けた結果、一人では整理できなくなった可能性があります。
◎人の手を借りたくない
マイペースや頑固な性格から人に頼み事をするのもイヤ、自分でできなくても断るといった感じで最終的には諦めた可能性があります。
ごみ屋敷の7割が女性だというデータもあります。ゴミ屋敷になってしまう理由には、片づけたくても近隣住民に見られたらイヤという気持ちや深い心理の問題も関係していることがあります。
なぜゴミ屋敷になるのか、その延長線上にはどんな事が潜んでいるのかご紹介しましょう。
ゴミ屋敷になる原因とトラブル
<原因>
◎仕事が多忙で留守が多い
自宅を留守にすることが多く、なかなか掃除ができない。
◎生活環境の変化
1人世帯が増えたことで近隣・近所との接点もなく指摘する人がいない。
◎心身的、身体的な病気の発症
病気や身体的に介助が必要となり、判断力がなくなった。
◎人間関係の変化
友人や親族との死別、別居などから精神的な強いショックを受け、気分の落ち込みや喪失感から生きる意欲を無くした。
◎物を捨てられない
もったいない、まだ使えるかもと残しておくことで物があふれてしまう。
これらの原因は近隣への迷惑をかけるだけではなく、時には簡単に処理できないトラブル
へと発展させてしまうこともあります。
<多い近隣トラブル>
◎悪臭
生ごみ、食べカスなどを放置しておくとカビが繁殖し、近隣にも悪臭が発生します。また木材の腐食も発生させるので家屋倒壊の恐れも出てきます。
◎害虫
害虫の大量発生は近隣住宅への侵入も予想されることから大きなトラブルへと発展する
ことがあります。
◎火災
悪臭に寄ってくる虫を防ぐため、蚊取り線香などをたいてしまうとゴミに引火しやすい、
燃え広がりやすいという条件から近隣住民の不安が増大します。
また近隣住民だけではなく、住人もハウスダストやダニの被害、「ためこみ症」やうつ病などの健康被害にもつながる可能性があります。
<大きなリスク>
◎健康被害
ゴキブリやハエなどの害虫は不衛生な場所を通って侵入してくることが多いため、様々な病原菌の元となる可能性があり、またアレルギーや喘息を引き起こす可能性もあります。
◎漏電
温かい場所を好むゴキブリは家電製品の内部にも侵入することが多く、コードをかじられ漏電、火災につながる原因にもなります。
ではこのような事を防ぐにはどうすればいいのでしょう。
改善と対応
<改善>
◎自力で掃除する
害虫が発生してない、ゴミが少ないなどの場合は家族・身内などの手を借り、自分たちで対処できます。
◎ライフスタイルの改善
ゴミを減らし、生活環境を変える。
◎買い物を控える
ネットショッピングや買い物の量を控える。
<対応>
◎民間業者
大量発生した害虫は駆除業者へ、不用品は買い取り業者に依頼するのもおすすめです。どこまで対応してもらえるか事前にチェックしておきましょう。
◎行政対応
取り締まり条例はないですが、各市町村でも独自の条例を制定する自治体が増えてきました。住人への指導を行い、片づけは本人が行う事になりますが、支援が必要な場合には少し時間もかかりそうです。
すぐに支払い可能ならば民間業者に依頼した方が素早い対応で作業を行ってくれるでしょう。でも長年放置されたゴミの悪臭は壁や床、衣類に染みついてすぐに除去することは難しいでしょう。
また火災のリスクや衛生面の不安などから警察、消防署、保健所などに相談するのもおすすめします。
しかし物の処分には本人の納得も大切になってくるので、根気よく寄り添い、説得しながら進めていく事が早い解決法かもしれませんね。