関東大震災に次ぐ首都直下型地震はいつ起こる?
地震大国日本。震度2、3の短い地震なら、慣れてしまって特に何をすることもなく普通に過ごしてしまう人も多いのではないでしょうか。大きな地震が来たすぐあとは、誰もが自分事で防災意識が高まって対策をし、少しの揺れでも敏感に対応します。それから何年も経って意識が薄れてきたころに、また大地震は発生するのです。いつ来るかはわからないにしても、来ると分かっていることに対策を徹底して自分や周りの命を守るために、これまでの歴史から予測していきましょう。
日本の地震の歴史はいつから始まった?
始まりは何年前だと思いますか? 文字による地震の記録が確認されている最古の時代は、4世紀古墳時代です。地震の原因は、大陸プレートと海洋プレートの重なる部分のズレによるものですので、地球が誕生し陸と海に分かれてからずっと発生し続けていると考えるのが自然ですね。
そんな中でも最も多くの被害者が出た地震がいつ起きたかというと、1923年の関東大震災です。この地震災害を引き起こした地震を、大正関東地震と呼びます。震源地は伊豆大島北端から北に15km付近の相模湾海底で、神奈川、東京を中心に、千葉、茨城南部、静岡東部まで被害が広がりました。関東大震災では、マグニチュード7.9で10万名を超える死者および行方不明者が出ています。2011年の東日本大震災では、マグニチュード9で2万人強の死者・行方不明者が出ました。関東大震災での甚大な被害の主な原因は、台風の強風が関東地方に吹き込み、当時多かった木造住宅に次々に広がっていった火災でした。
大地震のあとには、地震そのものによる建物の崩壊だけでなく、副次的に発生する火災や津波への対策が国を挙げて行われています。
「もうすぐでかい地震くるで」1983年に書かれた逸話『大地震前兆集』
関東大震災から60年後、地震予知に関する著作を書いている亀井義次氏による『大地震前兆集―これが起きたらすぐ逃げろ』が出版されました。言い伝えとしても有名なナマズの話や、地上、地中、水中のあらゆる動物や虫たちの変化から地震の前兆を記しています。
大地震は、いつくるか正確な予想が難しい自然現象ですが、だからこそ、自然界で暮らす動物や虫たちの生存本能が敏感にはたらいて普段とは違う行動をとらせるのでしょう。研究技術が発達する前でも、こうした先人たちの知恵を頼りに人類は生き残るために災害への備えを行っていました。
次の首都直下型地震はいつ?
人類はいつまで関東大震災のような大地震の恐怖に立ち向かわなければならないのでしょうか。昨今の地震調査から分かってきたのは、数十年から100年単位で起きる大地震とは別に、被害が広範囲に及ぶ超巨大地震が数百年単位で起きる「スーパーサイクル」という周期があるということです。化石の調査から分かったスーパーサイクルは、おおよそ400年から600年周期で地盤が大きく隆起し巨大地震が起きていた可能性が高いことを示しています。最後に発生した超巨大地震、1707年の宝永地震からすでに300年以上経っているため、この数十年の間にまたスーパーサイクルがやってくるだろうと言われています。
より具体的に発表されているものとしては、今後30年以内に南海トラフでマグニチュード8~9の巨大地震が起きる確率が70~80%あるということです。南海トラフとは、静岡県の駿河湾から九州東部まで続く海底のくぼみのことで、このプレートのズレによる地震が発生した場合、危険地域は日本列島の東北を除く太平洋側全域と言っても過言ではないでしょう。
地震予測の精度も上がり、地震災害への対策も年々強化されてきていますが、いつ頃起きるのか時期の絞り込みはまだ数十年の幅があります。「まだ大丈夫」と油断せずいつでも対応できる準備をしておきましょう。