💔 卵管造影検査で「詰まり」を指摘されたら...?不安を希望に変える具体的な治療法とステップ


不妊治療の検査として避けて通れない卵管造影検査(HSG)。この検査で「卵管が詰まっている(卵管閉塞や卵管狭窄)」という結果を告げられたとき、大きなショックと不安を感じるのは当然のことです。

「もう自然に妊娠できないの?」「どういうことなの?」

ご安心ください。卵管の詰まりが判明したとしても、その状態や詰まっている場所に応じて、適切な次のステップ具体的な治療法が必ず存在します。この検査は、単なる診断だけでなく、軽度の詰まりを改善する治療的な効果も期待できる非常に重要な検査です。

ここでは、卵管造影検査で詰まりが見つかった場合に何が起こるのか、痛みへの対処、そしてその後の妊娠を目指すための具体的な治療選択肢について、一つ一つ丁寧に解説していきます。


🚨 ステップ1:卵管が詰まっていたらどうなる?(検査時のこと)

卵管造影検査は、子宮の入り口から造影剤を注入し、X線でその流れを観察することで、卵管の通り具合や子宮のを調べる検査です。

1. 痛みの感じ方

卵管が詰まっている場合、造影剤が通ろうとすることで卵管内に圧力がかかりやすくなるため、通常よりも痛みを感じやすい傾向があります。

  • 痛みの特徴: 生理痛のような下腹部のキューッとした痛みを感じる方が多いです。

  • 対処法: 痛みには個人差がありますが、我慢できない場合はすぐに医師に伝えてください。必要に応じて鎮痛剤などで対応してもらえるので、無理は禁物です。

2. 詰まりが判明した場合

造影剤が卵管の途中で止まってしまったり、お腹の中(腹腔内)へ流れ出ないことで**詰まり(閉塞・狭窄)**が判明します。詰まっている場所や、片側だけか両側かによって、その後の治療方針が変わってきます。

  • 片側のみの詰まり: もう片方の卵管が正常であれば、自然妊娠の可能性は残りますが、確率は下がります。

  • 両側の詰まり: 卵子と精子が物理的に出会えないため、自然妊娠や人工授精は非常に困難となります。


🔑 ステップ2:詰まりの原因と治療的な効果

卵管が詰まる主な原因は、過去の感染症(特にクラミジア感染症)子宮内膜症、または手術後の癒着などが考えられます。日常生活では自覚症状がないことがほとんどです。

1. 検査による「通水効果」

卵管造影検査で造影剤を流す行為自体が、卵管内の軽い詰まり(狭窄)付着した粘液などを洗い流し、卵管の通りを良くする(疎通性を改善する)という治療効果を持つことが知られています。

  • この通水効果により、検査後数ヶ月間は妊娠しやすい状態になることが多く、特に油性の造影剤を使用した場合はその後の妊娠率が上がるとの報告もあります。

  • この期間は、積極的にタイミング法人工授精を行うことが推奨されます。

2. 卵管水腫がある場合(注意点)

卵管の出口が詰まり、中に水が溜まって卵管水腫となっている場合があります。卵管水腫がある場合、その水が子宮内へ逆流し、体外受精(IVF)の着床を阻害する可能性があるため、体外受精の前に手術で卵管を切除することが推奨されることがあります。


✅ ステップ3:卵管の詰まりを解消し、妊娠を目指すための選択肢

卵管の詰まりが検査後も解消しない、または両側詰まっていると判明した場合は、以下のより積極的な治療が選択肢となります。

1. 卵管鏡下卵管形成術(FT:Falloposcopic Tuboplasty)

これは、詰まっている卵管を直接広げるための手術的な治療法です。

  • 対象: 卵管の**子宮に近い部分(近位部)**の詰まり(狭窄・閉塞)に有効なことが多いです。

  • 方法: 卵管内に卵管鏡という細い内視鏡を挿入し、バルーンカテーテルという小さな風船を膨らませて詰まった部分を押し広げ、卵管を開通させます。

  • メリット: 体への負担が比較的少なく、日帰りまたは短期入院で行えることが多いです。成功率は高いと報告されており、自然妊娠の可能性を取り戻すことができます。

  • 妊娠率: 術後の妊娠率は約30%〜50%程度と報告されており、多くは術後半年以内に妊娠に至るとされます。

2. 腹腔鏡手術・開腹手術

卵管の卵巣に近い部分(遠位部)周囲の癒着による詰まり・閉鎖がある場合に、卵管開口術癒着剥離などの手術が検討されます。

  • 方法: お腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術が主流ですが、癒着が高度な場合は開腹手術となることもあります。

3. 体外受精(IVF)へのステップアップ

卵管の詰まりが手術でも改善しない、または両側の卵管が完全に閉塞している場合は、体外受精が必須となります。

  • 特徴: 卵管を介さずに、体外で卵子と精子を受精させ、受精卵を直接子宮に戻す治療法です。卵管の機能に関わらず妊娠を目指すことができます。

  • 判断基準: 卵管の詰まり以外にも、年齢不妊期間他の不妊原因(男性不妊など)を総合的に考慮して、早期の体外受精が推奨されることもあります。


🌟 まとめ:諦めずに次の選択肢を見つけましょう

卵管造影検査で卵管の詰まりが判明したことは、確かにショックかもしれません。しかし、これは「あなたの不妊原因がはっきりした」ということでもあり、次の治療への道筋が見えたことを意味します。

検査自体の治療的な効果を期待しながら、医師と相談して、FT手術体外受精といった最適なステップを見極めることが、妊娠という目標に近づくための確かな一歩となります。

どうぞ希望を持って、ご自身の状況に合った治療を進めていってください。